前回の続きです。)


そこでそんな体験をしたのに、帰国後はアメリカ製と日本製の違いと、諦めてしまっていました。
30代に入ってからやっと、きちんと足のサイズを測ることを知り、自分の足が、

幅が狭く、つま先からかかとまでの足長が長く、つまり細長いタイプの足で、更に人差し指が長いギリシャ型の中でもかなりはっきり長く、日本人の一般的な足型とは全く違うことがわかったのですが、

同時に、それまで人生に付きまとっていた足の痛みの原因もわかり、かなりショックでした。



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(ネット上の画像をお借りしました。)



最近と違って、昔は足のサイズを自分でちゃんと測る人などいなかっただろうし、
測ったとしても、今以上に幅の狭い靴は少なくて、手に入らなかったとは思います。

でも、今思うと、生まれてこの方太ったことがない、標準よりかなりやせ形の娘を目の前にして、
どうしてそんな風に思い込み続けられたのか、本当に不思議ですが、

母は若い頃ぽっちゃりしていた大柄な自分を基準にしていたらしく、
それが私には大きすぎるということに全く気付かないまま、色々なサイズ違いのものを与え続け、

もちろん足も幅広で、自分より大きいとなぜか決めつけており、当然のように幅の広い靴しか買わず、

私はその中から、脱げないように幅の合うものを選んでいたため、結果、
常に1センチ以上もサイズが小さな靴に、無理やり指を曲げて足を入れていたのだとわかりました。

つまり、幅が広くて足長が短いという、自分の足と正反対の靴を履き続けていたわけです。


あとから思えば当然のことながら、中学生の頃から常に足が痛いのが当たり前で、
長年の間に足の指は、じゃんけんのグーのように、丸めて縮めた形に曲がってしまっていました。

丸めて高くなった第一関節が靴に当たって、こすれて血が出たりするのも日常のことでした。


気付いた当初、足指の骨はもう丸まったまま固まっていたので、治らないかと思っていましたが、サイズ違いの靴を履かなくなってから何年もかかって、最近やっとそれが治ってきてほっとしている一方、

靴を履いていない靴下の時に、自分が足の指を縮めて、本来は自然に床を踏みしめているはずの指に力をかけず、かかとが痛くなる変なバランスで立っていることに、いまだにはっと気づいたりします。


小さな合わない靴にぎゅうぎゅう押し込んで、苦痛が当たり前になっていた足のことを思うと、
自分のこれまでの人生や親子関係の、まさに象徴だなと思い、今でもまだ少し複雑な思いがします。

父も母も、一見ごくまともに見えながら、実は自分たちの思い込みの基準だけに従って生きていて、全く目の前の現実を見ず、生身の私にはまるで対応しない、非常に特殊に歪んだ人たちでした。



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あらら、書きだしたらつい、詳しく書いてしまいました☆
ちょっと陰気な話になってしまったので、話を戻すと、(笑)

そんなわけで、この靴を履いた時の足の左右やかかとに感じる、隙間のない心地よいフィット感は、
日本の靴では有り得ない感覚。

アメリカのパンプス以来のフィット感でした。

欧米の高級ブランドの靴なら、日本でも手に入るだろうけど、それだとファッション性が強すぎて、
形が変わっていたり、ヒールが高すぎたり、別の要素で痛そうな靴ばかりだし、私には全く範疇外。

なので今も、靴だけは普通のアメリカ製が恋しいです。
日本の靴と違って、何年も履けずにすぐダメになっちゃう、荒っぽい作りではあったけど、ね。


でも、そんなにもぴったりの、美しくて快適な素晴らしい靴だったのに、意外なショックが。

どうやら持ち主が長年しまっていた古い靴だったらしく、ブラウンゴールドの紐とかかとのタブ部分が、なんと私が試着し始めたとたん、みるみるうちにボロボロ表面が剥がれ落ちてきたのです☆

びっくり仰天しました。




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一度試着して脱いだ時点で、脚と接触したタブ部分は全部剥れてしまいました。
ボロボロ剥げ落ちてまだらに汚くなったのを、残ったものもそっとはがした状態です。

この後、この下の部分も剥れてきました。

・・・・・・・・・・・・(涙)


私もショックだったけど、劣化して繊維が剥がれ落ちてしまい、もう元のきれいな姿で履いてもらえないほどの時間、放置されていたこの靴もかわいそうで・・・。

こんなに綺麗なのに、その美しい姿で履いてもらいたかったよねえ・・・。


アウトレット店で何年前のものかわからない靴を買うのは気を付けた方がいい、接着剤などが劣化していて、歩いているうちに底が剥がれたりして危ないことがある、と聞いたことがあったのですが、

接着剤の劣化だけでなく、合成皮革は年月が経つと表皮が剥がれ落ちるというのを、
初めて知りました。




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幸い、本体部分の素材は合皮ではなく、特殊な加工の布製で、履けなくなるほど劣化が進んでいる様子でもないようだったので、残念だけれど紐を切ってしまえば、まあ履けなくはないとわかり、

惜しいような値段で買ったわけではなかったけれど、
こんなにきれいな、しかも足に合う靴を諦めるのは残念だったため、少しほっとしました。


このクロスした紐が、かわいかったんだけどね・・・。

似た色のベルベットか何かで、うまくリボンをつけ替えられないかとも考えたのですが、色々模索したものの、かかとの禿げた部分も含めて、靴のリメイクは条件が難しすぎて、諦めました。


でも、紐がなくても、美しい靴です。

本来の美しい状態で、一度も履いて歩いてもらわないままだったことを思うと、とても不憫ですが、
せめて第二の人生を、ちょっとした日常履きとしてではあっても、うちで送ってもらって、

靴としての本来の仕事を楽しんで、満足してもらいたいなと思うのです。