前回「叶わぬ恋が成就したふたり1」からの続きです。



史実では当時の内情がどうだったのかわかりませんが、ドラマの様子では、皇帝の統治が安定しているため政略結婚の必要もなく、皇帝は妹を今度こそ幸せになれる相手に嫁がせたいと思っています。

そして一方のイブラヒムは、出自こそ異国から拉致されてきて改宗した、身寄りのない移民という不利なものではあるものの、皇帝の信頼厚く、最高位の大宰相にまで任命された若い独身者。

しかも、前回のロードス島への遠征中に、刺客に狙われた皇帝を庇って負傷し、皇帝から命の恩人とまで言われています。

条件だけを考えれば、一緒になれそうな気もするのですが、婚姻はあくまで皇帝の考えで決まるものであり、倫理観としても、皇女が誰かに恋慕の情を持つなどは、問題外のことのようです。




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そのため二人がお互いの気持ちに気づいてからも、臣下に囲まれた宮殿内で、かろうじて一言二言個人的な会話をかわしたり、人づてに小さなメモ程度の手紙を渡したりするのが、精一杯。

手さえ触れず、ふたりともまるで子供のようないじらしさで、見ているこちらも切なくなりました。
特に皇女さまはかわいかったなあ。

イブラヒムから貰った、小さな蝶のブローチを大事に着けていて、母后に「誰からの贈り物なの、趣味がいい」と褒められた時、さりげない顔を装いながらも嬉しそうだったり。


でも、何も知らない皇帝が、妹の幸せを願って、皇女と前大宰相の子息との縁談を決めてしまい、

それまでは多くを望まず、自分から野心など持たなかったのに、絶対に自分が何とかするから、諦めないで信じていてほしい、と皇女さまに誓ったイブラヒムも、とうとう万策尽きて、

拉致されてきてから今までのつらい人生が、大宰相に任命され、華々しく報われ始めたばかりだというのに、あろうことか、イブラヒムはすべてを擲(なげう)って故郷へ帰ってしまいます。




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前回も書きましたが、周りは正室不在の後宮で、複数の側室(妃)やその候補者たちが、皇帝の寵を競って陰に陽に争っています。そこにあるのは皇帝への愛情だけではありません。

普通に考えたら、イブラヒムにとっても皇女との恋の成就は、更なる政治的野心を満たし、身の安泰を図る大きな手段になり得るし、

反対に、当時の倫理からして叶いそうにないことならば、皇帝の怒りを買って失脚する危険を避けるため、色恋などより保身第一と諦めて、危うきに近寄らずという選択もあり得たのに、

この物語の中では、そうした駆け引きの要素を一切入れず、この二人がどちらもただ相手を恋しく想う、純粋で一途な愛情の持ち主として描かれていたのが、

実際にはそんなことありえないだろうな、と、歴史的考察などに関しては、かなり男性的な思考になってしまう私は思いつつも、今回はとてもいい感じでした。



こうして一度はすべてを諦めた二人でしたが、二人のお互いへの想いをを知った皇帝の一声で、晴れて一緒になることができ、新居で暮らし始めた様子がこの場面です。




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ベネチア大使から贈られた西洋式のテーブルで朝の食卓を囲み、妻の顔にじっと見入るイブラヒム。

ここまで長かったなあ、結婚が決まってからだけでも、何話分あったかしら。
(結婚式での皇女さまのきれいな衣装など、これまでの画面も保存しておけばよかった。)


面白いことに、死ぬか生きるかというほど絶望した二人なのに、結婚が決まった時の喜びの表現は、私には拍子抜けするほど控えめなものでした。







実は前回の記事にも載せたこのシーンが、結婚が許されてから、二人が初めて会った場面です。

生きて二度と会えないかもしれないと思っていたのが、晴れて婚約者同士となっての再会だったのに、え、それだけ? 抱き合う程度もなし? というくらいのじれったさ。

こうしてちゃんと手を取り合ったのが、確かこの時が初めてだったんじゃないかと思います。


一度は思い詰めたあまり自殺を図ったことさえある皇女さまなので、喜びのあまり泣き出すくらいの反応は当然見られるだろうと思っていたのですが、

予想に反してふたりとも、非常に淡々と、ほのぼのとしたものでした。

そういうところにも文化の違いを感じて、すごく面白いです。
トルコの人々は、あれで物足りなくないのね。それとも時代や二人の性格に合わせた演出なのかしら。



ところが遂に一緒になった二人は、一転して堂々と、堰を切ったようにあつあつ、ラブラブです。

言葉の表現がまた、日本人には非日常的なすごさ。(笑)

ほとんどの日本人が思っても口には出さないようなことを、はっきりと表現するし、詩を愛する文化があるからなのか、時代物だからなのか、その言葉がまた、文語的で、詩的で、耽美的。


そういえばドラマの最初の方に、何度もイブラヒムの独白が繰り返し入っていて、その中で使われていた言葉も、詩的でドラマティックで、かつ哲学的な雰囲気を出していたので、

もともとイブラヒムを、知性が深く感性が繊細な、皇帝にも劣らず知的で芸術的センスの高い男性として描いているのはわかっていましたが、

それだけではなく、トルコでは愛の表現は、これくらいの言葉を使うものという感覚もあるのかしら。


朝ごはんを食べるのもそっちのけで、じっと愛する皇女さまのお顔を見つめながら、イブラヒム曰く、




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褒められすぎて恥ずかしいわ、なんて照れる皇女さま。ほんとにお美しい。
イブラヒムの気持ち、わかるわあ。

共に生きることはできないと思っていた人と一緒になることができて、朝目覚めた時からその愛しい顔を、姿を、毎日隣で見ることができる、そのあまりの幸福に、

毎朝毎日、まだ信じられない思いさえする、そんな気持ち・・・。


皇女さまももちろん同じだと思いますが、なぜか私、こういう場合、昔から男性側の心情に、より共感してしまう傾向があります。

よかったねえ、イブラヒム。

10歳で親兄弟からも故郷からも突然離されて、一人ぼっちで異国で生きてきて、寂しくてつらいことばかりだっただろうけれど、こんなに愛した人と一緒になれて、生きていたかいがあったね。




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すると皇女さまが、昨夜、兄皇帝の寵姫が、皇帝の愛情を失うことが怖いと言っていた、その気持ちがわかる、と言い出します。

それを聞いてイブラヒムは、後宮の妃の不安は一生続くけれど、皇女さまにはそんな不安は関係ない、と。なぜなら自分は、




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・・・わかってたけど、その言葉を聞きたかったのね、んもう皇女さまったら。(笑)
イブラヒムもまったく、朝っぱらから大真面目で、何を恥ずかしいことを言ってるのやら。

見ているこちらは、もう当てられっぱなしですが、ここまでのいきさつがあるので、この二人のこういう場面を見るのは、私にはとっても嬉しいのでした。ほんとにほんとに、よかったね、ふたりとも


ちなみに、この二人の食卓、こんな大きさ。




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ベネチア生まれのイブラヒムは、この西洋式のテーブルが気に入っているようだけど、私だったら、もっと旦那さまの近くに座りたいなあ。これは遠いよね。

こればかりは、ここのお国風に、食事用の小さなテーブル(ちゃぶ台っぽい)を囲む方が、皇女さまもいいだろうになと思いました。

これは皇帝一人の朝食風景ですが、こんな感じです。




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失礼しました、陛下。(笑)
それにしても、明らかに一人では食べきれない量の、豪華な朝ごはん。

画像をご覧いただいてお分かりかと思いますが、このドラマ、画面がものすごくきれいなんです。

下から二つ目の画像なんて、タッチはシスレー、時代背景などの雰囲気はアルマ・タデマの、名画のよう。背景も、小道具も、服や宝飾品も、細部までとても美しいのが、私にはたまらない魅力です。

またそんなことも、機会を改めて書けたらいいなと思っています。
イブラヒムと皇女さまのラブラブシーン画像も、実はまだたくさん残っているし。(笑)



「オスマン帝国外伝」を見てみたい方は、最初の2話と、週に一度更新される1話を、こちらのサイトで無料で見ることができます。

それ以外の回も、Huluという動画配信サービスに申し込むと、全話見ることができるようです。

2週間無料で試すことができるそうなのですが、私は恐ろしくて申し込めずにいます・・・時間が許す限り、見続けて止まらなくなりそうで。笑

このドラマは週に一本50分観るくらいが、今のところ私にはちょうどいい感じです。






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